2013年6月22日土曜日


佐藤郁夫(SATO Ikuo)

担当科目: ファイナンス論,社会起業家論,地域のベンチャー経営,流通経営論,観光経済論
最終学歴: 上智大学法学部 博士(経済学)
専攻分野: マーケティング,地域経済,社会的企業
趣味: ときどきやる料理,仕事関連以外の読書,映画・音楽鑑賞
研究室: 7604


✿ ゼミテーマ:『社会と経営』

マーケティングや創業は企業の管理・運営を主とする経営とは違って,商品やサービス,デザインそのものを対象とするため,社会の動きと関連を持っています。これは,いわゆる「営業」とは性格を異にする部分です。また,消費者の多様化する好みに対応するとともに個性を打ち出さなければ企業間の競争には勝てません。ですから,社会変化や消費者心理に配慮した購買の意思決定に応じた商品のサービス化,デザイン化も進んでいます。
潜在的な需要を掘り起こすために,時には,消費者の期待への裏切りが購
買意思決定の引き金になっています。

たとえば,ゲームで負け,悔しくて繰り返す内に深みにはまるのと同じ心理
を商品開発に応用したものもあります。また,集団で行った方がより楽しみが
増すゲーム設計やデザインもなされています。

このような商品開発・デザインや実際の販売では,失敗が大きな経済的損
失につながる可能性があります。そのため,ゼミでは企業や商品のベンチマーキング(優位点の分析と自社への転用),リバースエンジニアリング(後づけ解釈)などが中心とな
ります。企業戦略における成功・失敗理由の受け止め方,開発途中の商品サービスやデザインの改良,消費者の潜在需要の掘り起こしなどについて議論を重ねます。したがって,ゼミ生は授業の受講者であるだけでなく消費者の一員として授業の主導的なリードも求められるのです。

また,ゼミでは,社会を見て,感じたことを他のメンバー(企業,組織の同僚,クライアント・顧客などの関係者に相当)に伝えなくてはなりません。なぜなら,正しく伝え終わったことで「社会を見て,感じた」ことになるからです。ですから,コミュニケーション能力もゼミの主導,リードには必須となります。

✿ 社会的活動

2007 年~:札幌市の(財)さっぽろ産業振興財団「さっぽろベンチャー支援事業・さっぽろ起業家総合支援協議会」委員(2012 年度は委員長)
2008 年~:北海道の「北海道地方競馬運営委員会」委員長
2009 年~:北海道工業大学「マーケティング」非常勤講師
その他,札幌商工会議所,北海道開発協会等の委員会座長,委員,アドバイザーなど多数の役職に就いています。

✿ 主要著作

北海道大学出版会『北海道の企業』シリーズを含め企業経営,ファンナンス,マーケティング,社会的企業,地域経済などで10 冊以上の出版された著書があります。その他論文等多数。


酒井春樹(SAKAI Haruki)

担当科目: 社会心理学,人間関係の心理学,心理学入門,他
専攻分野: 社会的認知と感情と行動の構造的ダイナミックス。態度の形成と変化過程。社会心理学方法論。
所属学会: アジア社会心理学会,日本心理学会,日本社会心理
学会,日本グループ・ダイナミックス学会,産業・組織心理学会,他
研究室: 7810


✿ 出身・経歴

1948 年福井県生まれ。1966 年東京大学入学。在学中,東大闘争に直面し,個人と集団のダイナミックスを心理学的に解明したいと思い,同大学大学院に進学(社会心理学専攻)。同大学院博士課程修了後,東洋大学社会学部非常勤講師などを経て,1984 年札幌大学教養部(当時)助教授。1993 年同教授。1995 年経営学部に移籍。1995 年4 月より1996 年3 月まで,プリンストン大学,メリーランド大学カレッジパーク校,カリフォルニア大学ロサンゼルス校に留学研修。

✿ 著書・論文


  1.  “Effectiveness of a typical-person heuristic for the prediction of conformity behavior.”(単著), The Sapporo University Journal, No. 34 / October 2012, pp.87–96
  2. 『現代心理学[理論] 事典』(共著),朝倉書店,2001,pp.524–562
  3. 『Cognitive Dissonance: Progress on a Pivotal Theory in Social Psychology 』(共著),アメリカ心理学会,1999,pp.267–294,他

✿ ゼミテーマ:『社会心理学を経営学に活かす:人間関係と集団行動の心理学』

◆ゼミナールの内容

このゼミでは,自分自身を含めて,どのような人が,どのような社会的状況で,どのような心理状態になり,どのような行動を示すか,それはなぜなのか,という問題を立てます。そして,この問題に対する答えを,社会心理学で見出された法則と理論を通じて学んでいきます。さらに,ゼミ参加者自身が,自分で関連するデータを集めて,実証的に研究していきます。人々の心理と行動の実証的研究法については,ゼミのなかで実習を行いますが,これを十分に理解し修得するには少し時間がかかります。したがって,自分でも学習を進めることが重要です。社会心理学を体系的に学習し人々の心理と行動を研究することは,対人コミュニケーション能力や人間関係のスキルの向上に役立ちます。社会人となった時には,集団と組織行動,流行現象などの背後にある心理を読みとることも可能になるでしょう。また,仕事やビジネスの場だけでなく,日常生活のなかでも遭遇するさまざまな心と行動の問題解決に役立つと思います。

◆ゼミナール運営の考え方・方法

「勉強は厳しく勉強以外は楽しく」を基本にゼミを運営します。毎年,ゼミ合同合宿を実施しています。大学というのは,自分で自分に問題を出し,努力して解決法を見つけ出していく場だと思います。この自己学習能力が社会に出て必ず役にたちます。私は,そのプロセスを全面的に支援したいと思います。

◆参考文献


  • 吉森護(編著)『人間関係の心理学ハンディブック』北大路書房,1991
  • 田中堅一郎(編)『産業・組織心理学エッセンシャルズ(改訂三版)』ナカニシヤ出版,2011
  • 古畑和孝・岡隆(編)『社会心理学小辞典』有斐閣,2002

2013年6月20日木曜日



明泰淑(MYUNG Tae-sook) 
教員のプロフィール
出 身 :韓国ソウル
担当科目 :人事・労務管理論,学外研修
最終学歴 :龍谷大学大学院経営学研究科 博士課程修了 経営学博士
専攻分野 :人事労務管理,経営行動科学,女性労働など
趣 味 :グルメ(おいしいもの食べ歩き),音楽鑑賞,旅行
研究室:7705


✿ ゼミのテーマ:『企業が求める人材になろう!
国際化が深化する中,人々の働き方も大きく変わっています。諸外国からも憧れていた,日本的 雇用慣行(終身雇用)はなぜ変化せざるをえないのか。それは大学を卒業してもなかなか就職にこぎつけられないことに繋がります。企業が求めている人材像が大きく変わっているからです。就職のために企業から求められている人材の要素は何か,その対応策について学びます。

✿ 専門ゼミナールでは,何を学ぶ!
専門ゼミナール I ~ II では,企業の現場(働く場)で行われているように,ゼミナールにおいて もみんなで議論し,取り入れたテーマを友だちと共同でレジュメを作成し発表するわざを学びます。例えば,小グループ(班)を作り,レジュメ作成担当者,用語調べ担当者,司会者といったように,おのおのが役割を分担していくことで,共に学ぶことと友情を深めていく形式をとります。
専門ゼミナール III ~ IV では,企業で行われる人事労務管理の実務について学びます。長引く 経済の低迷によって,企業の採用人事が停滞しています。いま企業では,必要度に応じて,正規社員か,契約・非正規社員かを区別する採用方式が進んでいます。厳しい採用基準を導入実施する企 業の現状,このような状況に学生諸君はどう対応せねばならないのか,その対応策について学びます。
専門ゼミナール V ~ VI では,大学 4 年間の大集成として,経営学を学んできた者として,経 営に関連するテーマを取り入れた卒業論文を書く作業に入ります。また,就職に備え,エントリー シートや履歴書の書き方,面接への対応,プレゼンテーションの仕方などを学びます。本ゼミナールの最終的な目的は,企業から求められている基礎能力を身につけることです。いち早く,企業から必要な人材として認められ,ゼミ生の皆さまが就職にこぎ着けることを目指します。

✿ 明泰淑ゼミナールのセールス point ?
大学を卒業しても,就職ができない近年の厳しい経済状況が続いているため,いくら働きたい意 思があっても,採用する企業は,企業にとって役立つ人以外は採用していません。しかし,厳しい 中でも,就職にこぎつける人はいます。いうまでもなく,企業が求めている要素を備えているからです。採用された先輩たちを見ると,専門知識と教養・まじめさ,積極的な学生がほとんどです。これらの要素をいかに身につけるか,を訓練することに加えて,企業が実施しているテスト(SPI)を含め,就職面接に備えた対応などの訓練を受けられるのが本ゼミナールの強みです。
2012 12 月 就職に備えた討論の合間に V 

✿ 社会活動
韓日経商学会理事 東アジア経済・経営学会理事 大韓経営学会理事
日本労務理論学会理事

✿ 主な著書
『韓国の労務管理と女性労働』(単著)文眞堂 『人事労務管理用語辞典』 ミネルヴァ書房 『ベーシック経営学辞典』 中央経済社 『各国企業で働く女性たち』(共著)ミネルヴァ

✿ 講演活動
「創業応援フォーラム」講演,旭川商工会議所・国民政策金融機関協賛,旭川市ときわ市民ホー ル,2012 10 6 日。(その他多数) 

堀江育也(HORIE Ikuya
教員のプロフィール
担当科目 :データベース論,情報通信論,データマイニング 
最終学歴 :北海道工業大学大学院工学研究科
              博士後期課程単位修得退学 博士(工学) 
専攻分野 :サービスサイエンス
趣 味  写真撮影・編集,ドライブ,映画・音楽鑑賞
                                                      研究室:7518

✿ ゼミのテーマ:
  『サービスサイエンス・データマイニング・フィジカルコン ピューティング』
 堀江ゼミのテーマは,3つです。  
 ❶サービスサイエンス 
   新しい分野の研究で,サービスの科学的なアプローチに関する研究を行います。
 ❷データマイニング
   ビッグデータの時代が訪れようとしており,データの山のから宝物を探す研究です。
 ❸フィジカルコンピューティング
   Arduinoと呼ばれるオープンハードウェアを使ったビジネスへのアプローチを
   試みます。

 ICT を活用した,ビジネスへの応用を様々な角度から考えるゼミを行います。近年,コンピュー タだけでなく,インターネットに接続できる高性能なスマートフォンやタブレットデバイスなど, モバイルデバイスが安価に入手できるようになり,プライベートだけでなくビジネスへの活用も 進んでいます。これらのデバイスは,テキストデータだけでなく,音声や画像,動画など様々なメ ディアを扱え,デジタルの情報への変換,いわゆるアトムからビットへの変換がどんどん進んでい ます。人と人とのつながりも,facebook mixi など様々な SNS(Social Networking Service)が あり,誰と誰が繋がっているかもデジタル化されるようになってきました。今後は,さらに今まで ネットワークに繋がっていなかったモノが,至る所で繋がるようになるのではないかと思われま す。まさにビックデータの時代が訪れようとしています。
 しかし,人間は現実の世界で生きており,デジタル化されることはありません。従って,デジタル世界に蓄えられた,巨大なデータの塊を,どのように現実の世界に引き出して活用するかが,今後ますます重要になってくると思われます。
 私のゼミは,サービスサイエンス・データマイニング・フィジカルコンピューティングをキーに,これらの問題に対して新しい解決の糸口を見いだしていきたいと考えています。
頭の中で考えるだけでなく,実際にプログラムを組み,試行錯誤しながら,スマートなアイディアが生まれるよう Think Different してもらいます。
✿ 最近の研究内容
 AR(拡張現実)や Arduino などを使ったフィジカルコンピューティングのビジネスおよび教育への応用に関して研究を行っています。
センサー(3 軸デジタルジャイロ,3 軸加速度センサー,3 軸デジタル地磁気センサー)で取得した情報を,XBee による無線通信で PC へ転送中。PC 上の 3D モデルを動かしています。
✿ 社会的活動
2009 年~現在:札幌市民カレッジでクラウド系の市民講座の講師2009 8 月~ 2010 3 月:組込みシステムビジネス研究会アドバイザー

中山健一郎(NAKAYAMA Kenichiro)
教員のプロフィール
担当科目 生産管理論,品質管理論,国際ビジネス論,他 
最終学歴 :名古屋市立大学院経済学研究科 博士後期課程単位取得退学 商学修士
専攻分野 自動車産業論,生産システム論 
趣味旅行,ケーキ食べ歩き,美術・映画鑑賞,卓球,野球
研究室: 6606



✿ ゼミテーマ:共通課題『企業の品質経営についてー理論と実践の融合から学ぶ』
 企業見学,企業調査,QC サークル活動や発表会,中小企業家同友会等の学 外活動の充実化と実践的学習をつうじて企業の品質経営を学び,研究するこ とを目標とします。その活動をつうじて個別研究及びグループ研究を展開。 経営学検定試験初級合格,学生懸賞論文,企業とのコラボ,インターンシッ プ,地域社会への貢献等の活動も行います。また企業が求める社会人基礎力, 問題発見能力・解決能力を磨きます。

 □その他の特徴
  1. ① 3年次に4年生ゼミを履修する仕組みを用い,3 年次に密度の濃いゼミ活動を行いま
        す。
  2. ② 自己研鑚と相互研鑚を行う場とし,学年,学部の枠に拘らず,社会人や企業人,OB/OG 
        の交流を行います。
  3. ③ ゼミの総力をあげての地域社会貢献を行います。実践的活動をつうじて社会人基礎
        力を醸成します。
  4. ④ 2年次で経営学基礎の復習や経営学検定試験初級合格への足掛かりを得,卒業研究,
        卒業論文の準備を行います。
  5. ⑤ 生産管理論,品質管理論,戦略論,マーケティング等の専門知識がゼミ活動の中で実践
       でき,認識できる環境をつくります。
    ⑥ 広い視野を持ちつつ,自分の個性を磨き,広く社会への関心と問題意識を持ち,それ  
        に対して積極的にアプローチする姿勢を醸成します。
    ⑦ モノづくり研究と改善活動の実践,必要知識を習得します。
✿ 最近の研究内容
① H23 ~ H25 年科学研究費助成事業 (学術研究助成基金助成金:基盤研究 C) 「グローバル化時代における自動車受託生産メーカーの進化・変容に関する研究」平成 21度に「委託生産研究会」を立ち上げ,研究代表者を務める。
② H23 ~ H28 年科学研究費助成補助金 (基盤研究A) 「自動車産業におけるグローバル・サプライヤーシステムの変化と国際競争力に関する研究」
平成223月に自動車サプライヤー研究会を母体に東京大学ものづくり経営研究センター 中心に研究活動。自動車産業のグローバル化の進展にともなう部品サプライヤーのグローバル化対応を研究。13大学の連携により韓国,台湾,中国,インド,ドイツ,イタリア,アメ リカ,イギリスを中心とする日米欧亜の自動車サプライヤーの調査活動をおこなう。
③ホンダの生産システムに関わる研究
中国,タイ事業展開における現地生産化の進展と現地開発について ホンダの TQC 活動展開について

✿ 社会的活動
2008 2 月~現在 :(財)日本科学技術連盟 QC サークル北海道支部 幹事2011 1 月~現在 :『QC サークル』誌編集委員会委員2011 3 月~現在 :(財)日本科学技術連盟 QC サークル北海道支部副世話人 2011 11 月~現在:工業経営研究学会北海道部会 副会長
                 その他,コーディネータ,司会・講評委員,評価委員等多数。


 中本和秀(NAKAMOTO Kazuhide) 
教員のプロフィール
担当科目 :組織と個人,組織と戦略,経営学入門, 経営学基礎 
最終学歴 :北海道大学大学院経済学研究科 博士課程単位取得退学 経済学修士
専攻分野 :経営組織論,経営史 
趣 味 :ウォーキング,BBQ,読書(歴史物) 
研究室:7719



✿ ゼミのテーマ:『経営スキルの育成』
 当面は「販売士 3 級」の資格取得を目指します。 
 経営学という学問は,たんなる教養として学ぶものではなく,まず何と言っても,社会に出て実践的に役に立つ《実学》であるべきです。ですから,社会で公認されている「資格」を取得することを学習の目標において学ぶことをゼミナールのテーマとしています。

✿ ゼミの特徴:皆で楽しく試験勉強して資格を取ろう!
『販売士ハンドブック(基礎編)』全 5 冊を皆で手分けして,読み進めていきます。区切りごとに 過去問題集を解いて実践的に試験の準備をします。皆でワイワイ言いながらやると楽しく学習でき ると思います。

✿ ゼミ生の就職傾向:小売業に実績
 なぜ,「販売士」の資格取得をゼミのテーマとしているかといえば,最近のゼミ学生の就職先の 傾向として,小売業や卸売業の企業が目立つからです。例をあげれば,イオン,マックスヴァリュ 北海道,ラルズ,コープさっぽろ,ホーマック,ジョイフル AK,ツルハ,サポロドラッグストア, キリン・ビバレッジ,それから,クルマ関係(トヨペットやネッツ・トヨタ)などです。ですから, 学生のうちから「モノを売るということ」についてのある程度の理解をしておくことが有益ではな いかと考えています。

✿ わたしの最近の研究内容:組織における「人間関係」のあり方の考察
 「ホーソン工場実験」で職場における「人間関係」の重要性が発見されたことは経営学において 有名な出来事でしたが,わたしは,「組織と個人」の授業に関連して,「人間関係」の実践的な築き 方について研究を進めています。モースやブラウなどの社会学の学説において展開されている「互 酬性」というような「原理」的な要素と,カーネギーなどが実践的に説いている実践的「原則」と がどのような関連性をもつのかについて考察中です。

✿ わたしのこれまでの研究内容:イギリス自動車産業経営史
 わたしは,長年,イギリスの自動車産業の発展の歴史を経営の視点から考察しています。特に, 自動車を造る企業家の活動,企業家精神に焦点を当てています。それに関連してもちろん,フォー ドやトヨタなど,アメリカや日本の自動車産業の発展についても興味をもっています。クルマに興 味のある人はわたしと楽しく議論をしましょう。
4 年生ゼミ卒業論文発表会(定山渓温泉にて合宿) 

靍 日出郎(TSURU Hiderou
教員のプロフィール
担当科目 :基礎簿記,工業簿記,原価計算論 
最終学歴 :明治大学大学院商学研究科 博士課程単位取得退学 商学修士 会計学

 むずかしい名前ですが,「ツルヒデロウ」といいます。北海道士別市で生まれました。今でも川 といえば天塩川がすぐ浮かびます。中学まで士別で過ごし,高校は函館,大学と大学院は商学部で 学び東京で過ごしました。大学院を満期退学後,本学経営学部経営学科に赴任しました。東京では 板橋区の常盤台に住んでいました。通学に利用していた東武東上線と地下鉄丸ノ内線のラッシュ時の混みようは今でも忘れません。また,当時,通っていた銭湯には背中一面に桜吹雪や登り龍など の刺青を入れた方が多く入浴しており,洗い場では隣の刺青の方にシャボン(石鹸の泡)が飛ばない よういつも気をつけていました。
 1990年から1991年にかけて,旧西ドイツのルール工業地帯のど真ん中の工業都市ボッフム市 にある,ルール大学(RUHR-UNIVERSITAET BOCHUM)経済学部応用経営経済学講座に留学 し,ドイツ経営学の巨星であるディーター・シュナイダー(Dieter Schneider)教授の指導を受けま した。留学中の 1991103日にドイツ統一が行われました。当日は統一の日,“Der Tag der deutschen Einheit” として祝日となり,全国一斉に祝賀行事が繰り広げられ,街中に “Wir sind ein Volk”(我々は 1 つの国民であると直訳されますが,ドイツは 1 つというニュアンスです。)というスローガンがあふれていました。東西ドイツの統一を目の当たりにできたことは幸運だと思います。
 社会貢献ということでもないのですが,2005年から2010年まで市内の某札幌市立高校の評議員 を務めました。この間,高校の運営会議への参加や教育現場の視察を通して,校長先生や進路指導 部および生活指導部の先生方と意見交換をして,高校生や高等学校の抱える問題について多くのこ とを学びました。また,2007年から2013年までは,道内のある公的機関に関係する委員会の学識 経験者委員を拝命して,特別職非常勤地方公務員という身分の下に,委員会活動に参加しておりま す。職務上の秘密保持義務が厳しく他言できないのですが,北海道民の人権等の維持にいくばくか の貢献ができているのではないかと思っております。


✿ 専門ゼミナール
2 年次秋学期の専門ゼミナールでは,「キャッシュフロー計算書を学ぶ」というテーマの下に キャッシュフロー計算書について勉強しています。キャッシュフロー計算書は損益計算書,貸借対照表と並んで第3の財務諸表といわれています。国際会計基準(IFRS)で上場企業に作成が義務づけられたこともあり,日本でも2000年度の決算から,上場企業と上場予定企業に作成し公表する ことが義務づけられています。現在,倒産する企業の3割から4割近くが「黒字倒産」です。損益 計算書や貸借対照表では利益を計上し,黒字決算なのに倒産する企業がとても多いのです。キャッシュフロー計算書を作成し,読み解くことによって「黒字倒産」のメカニズムを理解することがで きます。ただ,損益計算書や貸借対照表と違って,キャッシュフロー計算書は簿記から自動的に作成することができません。2年次の秋から3年次の春にかけては,このキャッシュフロー計算書に ついて,なぜ必要とされるのかその内容はどういうものなのかなどについて理解を深め,自ら作成できるように勉強します。

3 年次の初夏までにキャッシュフロー計算書の勉強が終わった後は,ABC(Activity-based- costing;活動基準原価計算。通常,ABCと略称します。この ABC という原価計算の考え方は,日本の 中小企業庁も推奨し,同庁のホーム頁に一例がありますのでご覧ください。)といわれる原価計算について 勉強します。ABC1980年代後半にアメリカで提案された原価計算のやり方です。1980年頃からアメリカには大量の日本車が入り,製造業が不振になりました。80年代前半には首都ワシント ンなどで日本車の焼き討ちも起こりました。この頃,アメリカでは製造業に関わる反省や問題点が考察されました。当時のアメリカでは,製造間接費の配賦は直接労務費法が多く使われていたのですが,そのやり方は本当に適切なのか,それは正確な製品原価を計算しているのかという問題提起 がなされました。ABCはこれらの疑問に対する会計サイドからの 1 つの解決策として提案されました。3年次のゼミナールでは,2 年次の勉強が終わり次第,このABCについて勉強します。

4 年次のゼミナールでは,現在,世界中で議論が行われている国際会計基準(IFRS)について勉強します。会計のルールを世界的に統一しようとする議論が始まってからおおよそ半世紀がたち,だ いぶ議論が進んでいます。現在,国際会計基準(IFRS)を全面的に導入している国は100ヵ国を超えています。日本やアメリカは2013年度中に採用するか否かについて態度を表明することになっています。企業活動が国境を越え,資本調達が 1 国のみならず世界中で行われる傾向にある現在, 自国の会計ルールのみにしたがった財務諸表では,世界中に広がる投資家に対する情報提供には一定の限界・制約がでてきます。4年次のゼミナールでは国際会計基準について勉強するとともに, ゼミ論の作成を指導します。

✿ 学生の皆さんへ
私は財務会計,管理会計を問わず,会計ってなんなのかという問題意識を大切にしたいと考えて います。専門ゼミナールでは簿記が苦手な方でも歓迎します。会計関係に少しでも興味のある方, 大いに議論し,一緒に勉強しましょう。