2013年6月22日土曜日


佐藤郁夫(SATO Ikuo)

担当科目: ファイナンス論,社会起業家論,地域のベンチャー経営,流通経営論,観光経済論
最終学歴: 上智大学法学部 博士(経済学)
専攻分野: マーケティング,地域経済,社会的企業
趣味: ときどきやる料理,仕事関連以外の読書,映画・音楽鑑賞
研究室: 7604


✿ ゼミテーマ:『社会と経営』

マーケティングや創業は企業の管理・運営を主とする経営とは違って,商品やサービス,デザインそのものを対象とするため,社会の動きと関連を持っています。これは,いわゆる「営業」とは性格を異にする部分です。また,消費者の多様化する好みに対応するとともに個性を打ち出さなければ企業間の競争には勝てません。ですから,社会変化や消費者心理に配慮した購買の意思決定に応じた商品のサービス化,デザイン化も進んでいます。
潜在的な需要を掘り起こすために,時には,消費者の期待への裏切りが購
買意思決定の引き金になっています。

たとえば,ゲームで負け,悔しくて繰り返す内に深みにはまるのと同じ心理
を商品開発に応用したものもあります。また,集団で行った方がより楽しみが
増すゲーム設計やデザインもなされています。

このような商品開発・デザインや実際の販売では,失敗が大きな経済的損
失につながる可能性があります。そのため,ゼミでは企業や商品のベンチマーキング(優位点の分析と自社への転用),リバースエンジニアリング(後づけ解釈)などが中心とな
ります。企業戦略における成功・失敗理由の受け止め方,開発途中の商品サービスやデザインの改良,消費者の潜在需要の掘り起こしなどについて議論を重ねます。したがって,ゼミ生は授業の受講者であるだけでなく消費者の一員として授業の主導的なリードも求められるのです。

また,ゼミでは,社会を見て,感じたことを他のメンバー(企業,組織の同僚,クライアント・顧客などの関係者に相当)に伝えなくてはなりません。なぜなら,正しく伝え終わったことで「社会を見て,感じた」ことになるからです。ですから,コミュニケーション能力もゼミの主導,リードには必須となります。

✿ 社会的活動

2007 年~:札幌市の(財)さっぽろ産業振興財団「さっぽろベンチャー支援事業・さっぽろ起業家総合支援協議会」委員(2012 年度は委員長)
2008 年~:北海道の「北海道地方競馬運営委員会」委員長
2009 年~:北海道工業大学「マーケティング」非常勤講師
その他,札幌商工会議所,北海道開発協会等の委員会座長,委員,アドバイザーなど多数の役職に就いています。

✿ 主要著作

北海道大学出版会『北海道の企業』シリーズを含め企業経営,ファンナンス,マーケティング,社会的企業,地域経済などで10 冊以上の出版された著書があります。その他論文等多数。


酒井春樹(SAKAI Haruki)

担当科目: 社会心理学,人間関係の心理学,心理学入門,他
専攻分野: 社会的認知と感情と行動の構造的ダイナミックス。態度の形成と変化過程。社会心理学方法論。
所属学会: アジア社会心理学会,日本心理学会,日本社会心理
学会,日本グループ・ダイナミックス学会,産業・組織心理学会,他
研究室: 7810


✿ 出身・経歴

1948 年福井県生まれ。1966 年東京大学入学。在学中,東大闘争に直面し,個人と集団のダイナミックスを心理学的に解明したいと思い,同大学大学院に進学(社会心理学専攻)。同大学院博士課程修了後,東洋大学社会学部非常勤講師などを経て,1984 年札幌大学教養部(当時)助教授。1993 年同教授。1995 年経営学部に移籍。1995 年4 月より1996 年3 月まで,プリンストン大学,メリーランド大学カレッジパーク校,カリフォルニア大学ロサンゼルス校に留学研修。

✿ 著書・論文


  1.  “Effectiveness of a typical-person heuristic for the prediction of conformity behavior.”(単著), The Sapporo University Journal, No. 34 / October 2012, pp.87–96
  2. 『現代心理学[理論] 事典』(共著),朝倉書店,2001,pp.524–562
  3. 『Cognitive Dissonance: Progress on a Pivotal Theory in Social Psychology 』(共著),アメリカ心理学会,1999,pp.267–294,他

✿ ゼミテーマ:『社会心理学を経営学に活かす:人間関係と集団行動の心理学』

◆ゼミナールの内容

このゼミでは,自分自身を含めて,どのような人が,どのような社会的状況で,どのような心理状態になり,どのような行動を示すか,それはなぜなのか,という問題を立てます。そして,この問題に対する答えを,社会心理学で見出された法則と理論を通じて学んでいきます。さらに,ゼミ参加者自身が,自分で関連するデータを集めて,実証的に研究していきます。人々の心理と行動の実証的研究法については,ゼミのなかで実習を行いますが,これを十分に理解し修得するには少し時間がかかります。したがって,自分でも学習を進めることが重要です。社会心理学を体系的に学習し人々の心理と行動を研究することは,対人コミュニケーション能力や人間関係のスキルの向上に役立ちます。社会人となった時には,集団と組織行動,流行現象などの背後にある心理を読みとることも可能になるでしょう。また,仕事やビジネスの場だけでなく,日常生活のなかでも遭遇するさまざまな心と行動の問題解決に役立つと思います。

◆ゼミナール運営の考え方・方法

「勉強は厳しく勉強以外は楽しく」を基本にゼミを運営します。毎年,ゼミ合同合宿を実施しています。大学というのは,自分で自分に問題を出し,努力して解決法を見つけ出していく場だと思います。この自己学習能力が社会に出て必ず役にたちます。私は,そのプロセスを全面的に支援したいと思います。

◆参考文献


  • 吉森護(編著)『人間関係の心理学ハンディブック』北大路書房,1991
  • 田中堅一郎(編)『産業・組織心理学エッセンシャルズ(改訂三版)』ナカニシヤ出版,2011
  • 古畑和孝・岡隆(編)『社会心理学小辞典』有斐閣,2002

2013年6月20日木曜日



明泰淑(MYUNG Tae-sook) 
教員のプロフィール
出 身 :韓国ソウル
担当科目 :人事・労務管理論,学外研修
最終学歴 :龍谷大学大学院経営学研究科 博士課程修了 経営学博士
専攻分野 :人事労務管理,経営行動科学,女性労働など
趣 味 :グルメ(おいしいもの食べ歩き),音楽鑑賞,旅行
研究室:7705


✿ ゼミのテーマ:『企業が求める人材になろう!
国際化が深化する中,人々の働き方も大きく変わっています。諸外国からも憧れていた,日本的 雇用慣行(終身雇用)はなぜ変化せざるをえないのか。それは大学を卒業してもなかなか就職にこぎつけられないことに繋がります。企業が求めている人材像が大きく変わっているからです。就職のために企業から求められている人材の要素は何か,その対応策について学びます。

✿ 専門ゼミナールでは,何を学ぶ!
専門ゼミナール I ~ II では,企業の現場(働く場)で行われているように,ゼミナールにおいて もみんなで議論し,取り入れたテーマを友だちと共同でレジュメを作成し発表するわざを学びます。例えば,小グループ(班)を作り,レジュメ作成担当者,用語調べ担当者,司会者といったように,おのおのが役割を分担していくことで,共に学ぶことと友情を深めていく形式をとります。
専門ゼミナール III ~ IV では,企業で行われる人事労務管理の実務について学びます。長引く 経済の低迷によって,企業の採用人事が停滞しています。いま企業では,必要度に応じて,正規社員か,契約・非正規社員かを区別する採用方式が進んでいます。厳しい採用基準を導入実施する企 業の現状,このような状況に学生諸君はどう対応せねばならないのか,その対応策について学びます。
専門ゼミナール V ~ VI では,大学 4 年間の大集成として,経営学を学んできた者として,経 営に関連するテーマを取り入れた卒業論文を書く作業に入ります。また,就職に備え,エントリー シートや履歴書の書き方,面接への対応,プレゼンテーションの仕方などを学びます。本ゼミナールの最終的な目的は,企業から求められている基礎能力を身につけることです。いち早く,企業から必要な人材として認められ,ゼミ生の皆さまが就職にこぎ着けることを目指します。

✿ 明泰淑ゼミナールのセールス point ?
大学を卒業しても,就職ができない近年の厳しい経済状況が続いているため,いくら働きたい意 思があっても,採用する企業は,企業にとって役立つ人以外は採用していません。しかし,厳しい 中でも,就職にこぎつける人はいます。いうまでもなく,企業が求めている要素を備えているからです。採用された先輩たちを見ると,専門知識と教養・まじめさ,積極的な学生がほとんどです。これらの要素をいかに身につけるか,を訓練することに加えて,企業が実施しているテスト(SPI)を含め,就職面接に備えた対応などの訓練を受けられるのが本ゼミナールの強みです。
2012 12 月 就職に備えた討論の合間に V 

✿ 社会活動
韓日経商学会理事 東アジア経済・経営学会理事 大韓経営学会理事
日本労務理論学会理事

✿ 主な著書
『韓国の労務管理と女性労働』(単著)文眞堂 『人事労務管理用語辞典』 ミネルヴァ書房 『ベーシック経営学辞典』 中央経済社 『各国企業で働く女性たち』(共著)ミネルヴァ

✿ 講演活動
「創業応援フォーラム」講演,旭川商工会議所・国民政策金融機関協賛,旭川市ときわ市民ホー ル,2012 10 6 日。(その他多数) 

堀江育也(HORIE Ikuya
教員のプロフィール
担当科目 :データベース論,情報通信論,データマイニング 
最終学歴 :北海道工業大学大学院工学研究科
              博士後期課程単位修得退学 博士(工学) 
専攻分野 :サービスサイエンス
趣 味  写真撮影・編集,ドライブ,映画・音楽鑑賞
                                                      研究室:7518

✿ ゼミのテーマ:
  『サービスサイエンス・データマイニング・フィジカルコン ピューティング』
 堀江ゼミのテーマは,3つです。  
 ❶サービスサイエンス 
   新しい分野の研究で,サービスの科学的なアプローチに関する研究を行います。
 ❷データマイニング
   ビッグデータの時代が訪れようとしており,データの山のから宝物を探す研究です。
 ❸フィジカルコンピューティング
   Arduinoと呼ばれるオープンハードウェアを使ったビジネスへのアプローチを
   試みます。

 ICT を活用した,ビジネスへの応用を様々な角度から考えるゼミを行います。近年,コンピュー タだけでなく,インターネットに接続できる高性能なスマートフォンやタブレットデバイスなど, モバイルデバイスが安価に入手できるようになり,プライベートだけでなくビジネスへの活用も 進んでいます。これらのデバイスは,テキストデータだけでなく,音声や画像,動画など様々なメ ディアを扱え,デジタルの情報への変換,いわゆるアトムからビットへの変換がどんどん進んでい ます。人と人とのつながりも,facebook mixi など様々な SNS(Social Networking Service)が あり,誰と誰が繋がっているかもデジタル化されるようになってきました。今後は,さらに今まで ネットワークに繋がっていなかったモノが,至る所で繋がるようになるのではないかと思われま す。まさにビックデータの時代が訪れようとしています。
 しかし,人間は現実の世界で生きており,デジタル化されることはありません。従って,デジタル世界に蓄えられた,巨大なデータの塊を,どのように現実の世界に引き出して活用するかが,今後ますます重要になってくると思われます。
 私のゼミは,サービスサイエンス・データマイニング・フィジカルコンピューティングをキーに,これらの問題に対して新しい解決の糸口を見いだしていきたいと考えています。
頭の中で考えるだけでなく,実際にプログラムを組み,試行錯誤しながら,スマートなアイディアが生まれるよう Think Different してもらいます。
✿ 最近の研究内容
 AR(拡張現実)や Arduino などを使ったフィジカルコンピューティングのビジネスおよび教育への応用に関して研究を行っています。
センサー(3 軸デジタルジャイロ,3 軸加速度センサー,3 軸デジタル地磁気センサー)で取得した情報を,XBee による無線通信で PC へ転送中。PC 上の 3D モデルを動かしています。
✿ 社会的活動
2009 年~現在:札幌市民カレッジでクラウド系の市民講座の講師2009 8 月~ 2010 3 月:組込みシステムビジネス研究会アドバイザー

中山健一郎(NAKAYAMA Kenichiro)
教員のプロフィール
担当科目 生産管理論,品質管理論,国際ビジネス論,他 
最終学歴 :名古屋市立大学院経済学研究科 博士後期課程単位取得退学 商学修士
専攻分野 自動車産業論,生産システム論 
趣味旅行,ケーキ食べ歩き,美術・映画鑑賞,卓球,野球
研究室: 6606



✿ ゼミテーマ:共通課題『企業の品質経営についてー理論と実践の融合から学ぶ』
 企業見学,企業調査,QC サークル活動や発表会,中小企業家同友会等の学 外活動の充実化と実践的学習をつうじて企業の品質経営を学び,研究するこ とを目標とします。その活動をつうじて個別研究及びグループ研究を展開。 経営学検定試験初級合格,学生懸賞論文,企業とのコラボ,インターンシッ プ,地域社会への貢献等の活動も行います。また企業が求める社会人基礎力, 問題発見能力・解決能力を磨きます。

 □その他の特徴
  1. ① 3年次に4年生ゼミを履修する仕組みを用い,3 年次に密度の濃いゼミ活動を行いま
        す。
  2. ② 自己研鑚と相互研鑚を行う場とし,学年,学部の枠に拘らず,社会人や企業人,OB/OG 
        の交流を行います。
  3. ③ ゼミの総力をあげての地域社会貢献を行います。実践的活動をつうじて社会人基礎
        力を醸成します。
  4. ④ 2年次で経営学基礎の復習や経営学検定試験初級合格への足掛かりを得,卒業研究,
        卒業論文の準備を行います。
  5. ⑤ 生産管理論,品質管理論,戦略論,マーケティング等の専門知識がゼミ活動の中で実践
       でき,認識できる環境をつくります。
    ⑥ 広い視野を持ちつつ,自分の個性を磨き,広く社会への関心と問題意識を持ち,それ  
        に対して積極的にアプローチする姿勢を醸成します。
    ⑦ モノづくり研究と改善活動の実践,必要知識を習得します。
✿ 最近の研究内容
① H23 ~ H25 年科学研究費助成事業 (学術研究助成基金助成金:基盤研究 C) 「グローバル化時代における自動車受託生産メーカーの進化・変容に関する研究」平成 21度に「委託生産研究会」を立ち上げ,研究代表者を務める。
② H23 ~ H28 年科学研究費助成補助金 (基盤研究A) 「自動車産業におけるグローバル・サプライヤーシステムの変化と国際競争力に関する研究」
平成223月に自動車サプライヤー研究会を母体に東京大学ものづくり経営研究センター 中心に研究活動。自動車産業のグローバル化の進展にともなう部品サプライヤーのグローバル化対応を研究。13大学の連携により韓国,台湾,中国,インド,ドイツ,イタリア,アメ リカ,イギリスを中心とする日米欧亜の自動車サプライヤーの調査活動をおこなう。
③ホンダの生産システムに関わる研究
中国,タイ事業展開における現地生産化の進展と現地開発について ホンダの TQC 活動展開について

✿ 社会的活動
2008 2 月~現在 :(財)日本科学技術連盟 QC サークル北海道支部 幹事2011 1 月~現在 :『QC サークル』誌編集委員会委員2011 3 月~現在 :(財)日本科学技術連盟 QC サークル北海道支部副世話人 2011 11 月~現在:工業経営研究学会北海道部会 副会長
                 その他,コーディネータ,司会・講評委員,評価委員等多数。


 中本和秀(NAKAMOTO Kazuhide) 
教員のプロフィール
担当科目 :組織と個人,組織と戦略,経営学入門, 経営学基礎 
最終学歴 :北海道大学大学院経済学研究科 博士課程単位取得退学 経済学修士
専攻分野 :経営組織論,経営史 
趣 味 :ウォーキング,BBQ,読書(歴史物) 
研究室:7719



✿ ゼミのテーマ:『経営スキルの育成』
 当面は「販売士 3 級」の資格取得を目指します。 
 経営学という学問は,たんなる教養として学ぶものではなく,まず何と言っても,社会に出て実践的に役に立つ《実学》であるべきです。ですから,社会で公認されている「資格」を取得することを学習の目標において学ぶことをゼミナールのテーマとしています。

✿ ゼミの特徴:皆で楽しく試験勉強して資格を取ろう!
『販売士ハンドブック(基礎編)』全 5 冊を皆で手分けして,読み進めていきます。区切りごとに 過去問題集を解いて実践的に試験の準備をします。皆でワイワイ言いながらやると楽しく学習でき ると思います。

✿ ゼミ生の就職傾向:小売業に実績
 なぜ,「販売士」の資格取得をゼミのテーマとしているかといえば,最近のゼミ学生の就職先の 傾向として,小売業や卸売業の企業が目立つからです。例をあげれば,イオン,マックスヴァリュ 北海道,ラルズ,コープさっぽろ,ホーマック,ジョイフル AK,ツルハ,サポロドラッグストア, キリン・ビバレッジ,それから,クルマ関係(トヨペットやネッツ・トヨタ)などです。ですから, 学生のうちから「モノを売るということ」についてのある程度の理解をしておくことが有益ではな いかと考えています。

✿ わたしの最近の研究内容:組織における「人間関係」のあり方の考察
 「ホーソン工場実験」で職場における「人間関係」の重要性が発見されたことは経営学において 有名な出来事でしたが,わたしは,「組織と個人」の授業に関連して,「人間関係」の実践的な築き 方について研究を進めています。モースやブラウなどの社会学の学説において展開されている「互 酬性」というような「原理」的な要素と,カーネギーなどが実践的に説いている実践的「原則」と がどのような関連性をもつのかについて考察中です。

✿ わたしのこれまでの研究内容:イギリス自動車産業経営史
 わたしは,長年,イギリスの自動車産業の発展の歴史を経営の視点から考察しています。特に, 自動車を造る企業家の活動,企業家精神に焦点を当てています。それに関連してもちろん,フォー ドやトヨタなど,アメリカや日本の自動車産業の発展についても興味をもっています。クルマに興 味のある人はわたしと楽しく議論をしましょう。
4 年生ゼミ卒業論文発表会(定山渓温泉にて合宿) 

靍 日出郎(TSURU Hiderou
教員のプロフィール
担当科目 :基礎簿記,工業簿記,原価計算論 
最終学歴 :明治大学大学院商学研究科 博士課程単位取得退学 商学修士 会計学

 むずかしい名前ですが,「ツルヒデロウ」といいます。北海道士別市で生まれました。今でも川 といえば天塩川がすぐ浮かびます。中学まで士別で過ごし,高校は函館,大学と大学院は商学部で 学び東京で過ごしました。大学院を満期退学後,本学経営学部経営学科に赴任しました。東京では 板橋区の常盤台に住んでいました。通学に利用していた東武東上線と地下鉄丸ノ内線のラッシュ時の混みようは今でも忘れません。また,当時,通っていた銭湯には背中一面に桜吹雪や登り龍など の刺青を入れた方が多く入浴しており,洗い場では隣の刺青の方にシャボン(石鹸の泡)が飛ばない よういつも気をつけていました。
 1990年から1991年にかけて,旧西ドイツのルール工業地帯のど真ん中の工業都市ボッフム市 にある,ルール大学(RUHR-UNIVERSITAET BOCHUM)経済学部応用経営経済学講座に留学 し,ドイツ経営学の巨星であるディーター・シュナイダー(Dieter Schneider)教授の指導を受けま した。留学中の 1991103日にドイツ統一が行われました。当日は統一の日,“Der Tag der deutschen Einheit” として祝日となり,全国一斉に祝賀行事が繰り広げられ,街中に “Wir sind ein Volk”(我々は 1 つの国民であると直訳されますが,ドイツは 1 つというニュアンスです。)というスローガンがあふれていました。東西ドイツの統一を目の当たりにできたことは幸運だと思います。
 社会貢献ということでもないのですが,2005年から2010年まで市内の某札幌市立高校の評議員 を務めました。この間,高校の運営会議への参加や教育現場の視察を通して,校長先生や進路指導 部および生活指導部の先生方と意見交換をして,高校生や高等学校の抱える問題について多くのこ とを学びました。また,2007年から2013年までは,道内のある公的機関に関係する委員会の学識 経験者委員を拝命して,特別職非常勤地方公務員という身分の下に,委員会活動に参加しておりま す。職務上の秘密保持義務が厳しく他言できないのですが,北海道民の人権等の維持にいくばくか の貢献ができているのではないかと思っております。


✿ 専門ゼミナール
2 年次秋学期の専門ゼミナールでは,「キャッシュフロー計算書を学ぶ」というテーマの下に キャッシュフロー計算書について勉強しています。キャッシュフロー計算書は損益計算書,貸借対照表と並んで第3の財務諸表といわれています。国際会計基準(IFRS)で上場企業に作成が義務づけられたこともあり,日本でも2000年度の決算から,上場企業と上場予定企業に作成し公表する ことが義務づけられています。現在,倒産する企業の3割から4割近くが「黒字倒産」です。損益 計算書や貸借対照表では利益を計上し,黒字決算なのに倒産する企業がとても多いのです。キャッシュフロー計算書を作成し,読み解くことによって「黒字倒産」のメカニズムを理解することがで きます。ただ,損益計算書や貸借対照表と違って,キャッシュフロー計算書は簿記から自動的に作成することができません。2年次の秋から3年次の春にかけては,このキャッシュフロー計算書に ついて,なぜ必要とされるのかその内容はどういうものなのかなどについて理解を深め,自ら作成できるように勉強します。

3 年次の初夏までにキャッシュフロー計算書の勉強が終わった後は,ABC(Activity-based- costing;活動基準原価計算。通常,ABCと略称します。この ABC という原価計算の考え方は,日本の 中小企業庁も推奨し,同庁のホーム頁に一例がありますのでご覧ください。)といわれる原価計算について 勉強します。ABC1980年代後半にアメリカで提案された原価計算のやり方です。1980年頃からアメリカには大量の日本車が入り,製造業が不振になりました。80年代前半には首都ワシント ンなどで日本車の焼き討ちも起こりました。この頃,アメリカでは製造業に関わる反省や問題点が考察されました。当時のアメリカでは,製造間接費の配賦は直接労務費法が多く使われていたのですが,そのやり方は本当に適切なのか,それは正確な製品原価を計算しているのかという問題提起 がなされました。ABCはこれらの疑問に対する会計サイドからの 1 つの解決策として提案されました。3年次のゼミナールでは,2 年次の勉強が終わり次第,このABCについて勉強します。

4 年次のゼミナールでは,現在,世界中で議論が行われている国際会計基準(IFRS)について勉強します。会計のルールを世界的に統一しようとする議論が始まってからおおよそ半世紀がたち,だ いぶ議論が進んでいます。現在,国際会計基準(IFRS)を全面的に導入している国は100ヵ国を超えています。日本やアメリカは2013年度中に採用するか否かについて態度を表明することになっています。企業活動が国境を越え,資本調達が 1 国のみならず世界中で行われる傾向にある現在, 自国の会計ルールのみにしたがった財務諸表では,世界中に広がる投資家に対する情報提供には一定の限界・制約がでてきます。4年次のゼミナールでは国際会計基準について勉強するとともに, ゼミ論の作成を指導します。

✿ 学生の皆さんへ
私は財務会計,管理会計を問わず,会計ってなんなのかという問題意識を大切にしたいと考えて います。専門ゼミナールでは簿記が苦手な方でも歓迎します。会計関係に少しでも興味のある方, 大いに議論し,一緒に勉強しましょう。 

陳忠徳(CHIN Chutoku) 
教員のプロフィール
担当科目 : 会計情報論,会計監査,会計学入門,基礎簿記 
最終学歴 : 西南学院大学大学院経営学研究科 博士後期課程単位取得退学 
     経営学修士
専攻分野 : 会計学(計算構造論,会計監査)
趣  味 : 散歩,音楽鑑賞,熱帯魚飼育(現在は飼育していま せんが,コリドラスや
           プレコの生き様が大好きで す),水族館巡り
研究室:7715

✿ ゼミのテーマ:『会計情報の理論的な知識,その作成及び分析に関する能力の 修得』
 ゼミテーマはさらに以下の3つに分けられます。
1 会計情報の理論的な知識
 会計情報の理論的な知識を身に付けるために,まず会計言語といえる簿記の知識を修得しま す。さらに,会計に関する様々な文献や日本経済新聞などの会計関連の記事を題材として, それらをレジュメやレポートとしてまとめて各自報告してもらい,会計に対する知識を深め てもらいます。
2 会計情報の作成
 会計情報の作成には,理論的な知識だけではなく,実務的な知識も必要となります。民間企 業の約6割で利用されている弥生会計(コンピュータ経理ソフト)を使用し,原始証憑に基 づく伝票入力から月次決算までの会計情報を作成する一連の手続きに関して実際に会計処理 を行います。さらに,月次決算の手続きを理解したうえで,年次決算に関する会計情報を作 成します。最終的には,伝票入力から財務諸表の作成までの会計処理ができることを目指し ます。
3 会計情報の分析
 会計情報の分析については,上場企業が毎年作成している有価証券報告書を入手し,収益 性,安全性,生産性,成長性の指標や PER(株価収益率)および PBR(株価純資産倍率)を用 いて分析を行います。企業経営の結果としての会計情報を分析し,理解できる知識を修得し ます。

✿ 陳ゼミでは会計情報について学びますが,会計情報はなぜ必要なのでしょうか
仮に,あなたが雑貨店を開業する場合を考えてみましょう。雑貨店の経営者となったあなたは, 元手となる資金を使って事業を展開しますが,資金面においてどういう現状で,これからどのよう に経営していけば良いかについて気になるでしょう。このように企業の現状把握と将来的な計画の 策定に対して,会計情報は非常に有用であるといえます。
また,あなたは日々の商品の仕入や売上,在庫についても注意を払っているはずですが,仕入先 から商品代金が振り込まれていない旨の連絡をもらいました。直ちに以前の仕入先との取引事実の 調査をはじめるでしょう。この場合にも日常の取引を会計情報として記録し,その裏付けとなる原 始証憑(領収書など)をきちんと保管しておけば,このようなトラブルは即座に解決できるはずです。
 そして,雑貨店開業後一年が経過し,決算を迎えます。日常の取引を会計情報として記録しておらず,決算時点に会計情報が作成できなければ定められた申告時期に正確な税金の申告をすることはできないでしょう。このような場合でも会計情報は必要といえます。
 さらに,企業経営に携わってなくても会計情報は必要です。その一例として,最近では西武鉄道 の有価証券報告書における故意の記載不正による上場廃止やカネボウやライブドアの粉飾決算によ る上場廃止,オリンパスの粉飾決算および大王製紙の巨額融資による訂正報告書の提出が新聞の紙 面を賑わしたことをあげることができるでしょう。もし,会計情報が社会的に必要ではないとしたら,会計情報における虚偽記載に関して,当該企業に対する上場廃止という厳しい措置(上場廃止 によって当該企業の株価は暴落し,その株式を保有する株主は事実上,株式売買を行うことができ ません)がとられることはないでしょうし,ましてや新聞の紙面で大きく取りあげられることもな いでしょう。このことは,会計情報の信頼性が社会的に認識されているという証拠であると考えられます。

✿ 良好な人間関係を築く能力を身に付けよう!
 ゼミでは,教員と学生,さらには学生同士が双方向にコミュニケーションを図ることができます。そのため,教員と学生,また学生同士の間に信頼関係が生まれ,社会で重視されているような 人間関係をつつがなく構築できるような能力が涵養されると思います。そのような機会は,ゼミの 授業だけに限らず,コンパや合宿などでも得られるはずです。しかも,ゼミで築かれた信頼関係は 大学を卒業しても継続するものであり,各ゼミ生にとって生涯失うことのない大きな財産になるの ではないかと考えています。このような人間関係を構築できるような能力を身につけてもらうため に,ゼミ生の主体性を重視します。つまり,ゼミ生が自分自身の考えで行動し,ゼミを盛り上げて くれることを期待しています。世間でも,指示されてからしか行動のできない人よりも,自らの考 えで行動できる人が必要とされています。

高石克美(TAKAISHI Katsumi
教員のプロフィール
担当科目 : 教師論,商業科教育法I・II,職業指導論, 教育実習I a・I b,
               特別活動の研究, 特別ゼミナール,簿記演習I・II 
最終学歴 : 札幌大学経営学部経営学科 卒業
研究室: 7309

✿ 商業科教員を育てるゼミナール
 商業の教員を目指す,主体的で意欲溢れる学生を歓迎したい。少数精鋭で,メリハリをつけなが ら,「学ぶことによってのみ人は成長する」ということを楽しく体感するゼミです。鬼面仏心の私 が徹底指導していきます。30 年ぶりに母校に帰って来て,今年で 8 年目になります。高校現場の 実践と経験を踏まえて,その英知を後輩達に伝授して,自己実現の手助けをします。共に高まり進 化して学び合いましょう。教職を履修して,公務員や金融機関等への就職を希望する意欲あふれる 学生も歓迎します。
✿ ゼミナールの計画
2 年次
 ①商簿記検定 級・全経 級レベルの合格力・実力・地力を身につける。
 ②2商業の科目の中から 1 科目選択して,シラバスと学習指導案を作成してみる。
 ③特別活動 3 分野(HR,生徒会活動,学校行事)から 1 分野選択して研究する。
 ④理想の教師像の在り方についてみんなで考えて自分の考えをまとめる。

年次
 ①商業科目の教材と指導案を作成(教育実習に備えて)して,教科力の向上を図る。
 ②商業の科目の中から
1 科目選択して,シラバスと学習指導案の作成する。
 ③特別活動の分野の部活動の在り方について探求し,自分がどう関わるかをまとめる。
 ④理想の教師像に向かって,自分の課題の消化と具体的な実践項目をまとめる。
 ⑤なりたい自分に融合する職種の研究をしてプレゼン能力を身につける。 

年次
 ①「なりたい自分作り」と「わかる授業」のできる教師を目指し,継続して研修研究する。
 ②2,3 年次の学習の中から,卒業研究・卒業論文のテーマを探してその作成に当たる。 

✿ 努力を惜しまず継続して目標に向かう者が教員になってほしい
 「人あるところに教育あり」です。企業も人なり,教育も人なりです。人が,物も金もそして人 を動かします。人が人を育てるのが 教育です。人を育てる,やりがいのある仕事が教師です。「人 を育てる人」である教師を 育成することが目的のゼミナールです。子供の個性を伸ばし,豊かな 心を育てるためには子供や学生の成長と共に,教師である私自身が個性を生かして,学ぶことに意 欲的であろうと思っています。教職履修者が中心のゼミですが,教師にならなくても教員免許を取 得して,「なりたい自分」になるための成長の手助けをするゼミです。
 何でも教えればいいというものではありません。親の与えすぎ・甘やかせすぎが無気力な子供を 生み出します。教師の手取り足取りの 教えすぎは,主体性の無い生徒を育てます。詰め込みの教 育は,大した教育効果を期待できません。先行き不透明な社会を 目の当たりにして,自分の将来を 真剣に考えられる学生になるように努力しあえるゼミナールに したいと思っています。ゼミナー ルが,時代に即した主体性と実践力に満ちあふれた教師を目指す学生の育つ学びのステージになる ことを期待しています。
 生き生きとした好奇心・探求心と人に対す る暖かい思いで,人の話を理解し,共感する学 生を育てることが教師育成の近道であり,教 師を志さなくても就職力の向上を支援できる 学びの場にしていきます。そんな学生を育て るために,共に高めあい学びあうゼミナール にします。高校現場 30 年の実践経験のエキ スを高石ゼミナールの学生に散布します。簿 記の検定試験を活用して,学習力と教科力の 向上に力点を置くつもり指導します。三字熟 語や四字熟語や諺等の漢字の学習を毎時間継 続して,国語力を高めるための演習にも注力 します。
 ゼミナールは,教えてもらうというよりも,教え合い・学び合い・語り合う,同じ志を持つ仲間の集いの場です。飲んだり,食べたり,歌ったり,泣いたり,笑ったり,議論したりする企画満載ゼミです。感性を磨き,自己実現を図り,進路実現に向けて努力活動に励む場です。学生自身が自分達で学びあう体制作りを心がけていきます。札幌大学経営学部に商業高校の教員になるために入学してきた学生,また今,強くそう思っている学生には,お得感のあるゼミナールです。学ぶことに違和感のない学生で,休まないで出席することが最低条件です。

小野保之(ONO Yasuyuki

担当科目: 会計学入門,会計情報システム,業績管理会計,意思決定会計
最終学歴: 明治大学大学院商学研究科 博士後期課程単位修得退学商学修士
専攻分野: 会計学
研究室: 7713



✿ ゼミテーマ:『管理会計とAIS』

企業にとって会計は,計画と統制に有用な情報を提供するものとしての一面をもっています。企業経営に役立つこのような会計領域は管理会計と呼ばれています。 管理会計は1920 年代に生まれた比較的新しい研究分野ですが,時代とともにその重要性を高め,現在では企業戦略にまで,対象領域を広げています。

このような管理会計の発達には,コンピュータを利用することが不可欠です。近年のNPV,BSC,EVA などの新しい管理会計ツールも,コンピュータの利用によって使うことができるようになったものです。とくに,高性能パソコンの普及によって,中小企業も含めた大多数の企業で会計のコンピュータ化が進んでいます。このような会計のコンピュータ化を研究する領域がAIS(会計情報システム)です。

本ゼミナールでは,この管理会計とAIS の展開を課題としています。まず,管理会計の基礎を学び,つぎにビジネスゲームなども取り入れながらコンピュータを使って管理会計への理解を深めていきます。最後に,管理会計とAIS の現代的課題について研究を行います。

なお,ゼミナールは,通常の講義のように大教室で一方的に教員の話を聞くだけの科目ではなく,教員と学生,また学生同士が直接意見をかわし,親しく触れ合うことのできる数少ない機会でもあります。このため,本ゼミナールでは,教室における学習だけではなく,合宿やコンパといったものもゼミナール活動の一環と考えています。

本ゼミナールを単なる研究の深化の場ととらえるだけでなく,コミュニケーションの場としても活用してもらいたいと考えています。


大森義行(OHMORI Yoshiyuki)

担当科目: 情報処理基礎,コンピュータネットワーク論,インターネット概論,情報リテラシー
最終学歴: 北海道大学大学院工学研究科博士後期課程修了 工学博士
専攻分野: 情報通信
趣味: 音楽鑑賞,ゴルフ,旅行
研究室: 6609


✿ ゼミテーマ:『情報ネットワークの構築』

大森ゼミでは,次の3 つを修得します。
  1. ソーシャルツールの使い方を学ぼうGoogle,Jimdo,facebook など無料のアプリを活用したシステム作り
  2. フィールドで試してみよう月寒まちづくり協議会などと連携して,IT を「まちづくり」に活用
  3. 人と人のつながりも「ネットワーク」月寒地域のイベントに参加して,まちの方々とコミュニケーションを取る
私の担当するゼミナールのテーマを一言で表せば「情報ネットワークの構築」となるでしょう。「情報ネットワーク」という単語に代表されるように,LAN(ローカルエリアネットワーク)の設計やサーバー構築など,情報システムを作り上げることが想像されると思います。もちろんこれが王道であることに間違いはありません。しかしながらここでは,もう一つの解釈,「情報を共有し利用するヒューマンネットワークの構築」も含まれています。すなわち,「IT を活用したコミュニティづくり,まちづくり」にも取り組んでいます。

✿ ゼミナールのセールスポイント

私のゼミナールでは『実践する』ことを大切にしています。座学で習ったことを実習を通して確かめる,学外でのフィールドワークの中で試してみる,など,実践することにより確かなものとして身につけることを目指しています。

✿ 私の研究

ここ数年取り組んでいるテーマは「教育の情報化に関する研究」です。なかでも,パソコンとインターネットを活用して「いつでも,どこでも」勉強できる学習システムe-Learning に関する研究をしています。

e–Learning は便利な教育システムですが,教員が受講生の様子を知ることができないという欠点を持っています。そのため,既存のシステムの多くは,テストやレポートなどを用い学習の状況を把握しようとしています。でも,これでは受講後の学習者の状況,すなわち到達度を把握しようとするもので,受講中の状況(ちゃんと勉強しているか )を把握することはできません。そこで,e–Learning で受講している学習者の受講中の受講状況を把握するために,学習者のマウスの操作,および要した時間を自動的に検知・記録し,得られた情報を分析することで受講状況の把握を行う新しい手法を構築しています。

ブラウザ上で行われるe-Learning 受講中のマウスの座標を単位時間ごとに取得し,マウスの速度・加速度・滞在時間・縦方向と横方向の移動距離を算出し,これらのパラメータから,学習者の教材に対するマウスの動かし方を分類し分析を行い,学習態度(?)などを把握しようとしています。

✿ 社会的活動


  • 2012 年6 月~:月寒まちづくり協議会会長
  • 2012 年~:月寒小学校PTA 会長
  • 2010 年2 月10 日~ 2011 年3 月31 日:月寒公園再整備計画策定委員会委員長(札幌市)
  • 2010 年5 月~:NPO 法人ccc–TIES 理事(帝塚山大学)



汪志平(WANG Zhi-ping

担当科目: 現代企業論,企業社会論,アジア経営論,他
最終学歴: 北海道大学経済学研究科博士課程修了 博士(経済学)
研究分野: 中国市場における日本企業の経営戦略,企業制度の日中比較,企業の社会的責任
主要著作: 『日本巨大企業の行動様式』,『企業形態要論』,『企業論入門』,『コーポレート・ガバナンスの国際比較』,『日本金融組織和管理』,『現代日本工商管理案例』他
趣味: 山菜採り,山道散歩,温泉めぐり,映画名作鑑賞
研究室: 7703



✿ ゼミテーマ:『中国のビジネス環境と日本企業の市場戦略』

中国は急速な経済成長によって,世界の工場から世界の市場へと大きく変貌を遂げています。グローバルに事業展開する日本企業にとって,中国市場は米国・欧州と並ぶ重要な一極となっています。しかし,中国は広大な国なので,地域によって文化や習慣が違うだけではなく,都市部と農村部,沿海部と内陸部では,所得や生活水準の面で大きな格差があります。

また,日本企業が進出している中国で待っているのは,競争力が高まりつつあるローカル企業だけでなく,欧・米・韓・台の企業による大激戦です。中国市場でビジネスを展開する日本企業は,中国市場の特質と競合企業の動向という2つの側面で,日本市場で活動する場合と極めて異なる局面に置かれています。

企業が提供する商品やサービスが,中国のどのような人達に,どんなベネフィットをもたらすのか,その人達はどのようなことに心を動かされるのかを知ることこそが,中国市場で成功するための鍵となります。私のゼミでは,中国生活者の発想に基づき,多くの日本企業にとって中核的なターゲットになりうる中国の生活者層に注目して,彼らの生活スタイルを分析し,今後中国ビジネスに関わってみようとする諸君に何らかのヒントになればと考えています。

✿ ゼミ計画

2 年次 中国経済とビジネスの制度環境を知る
3 年次 中国における日系企業の現状と課題を理解する
4 年次 事例分析と卒業論文作成

✿ 使用テキスト・参考文献


  • 遊川和郎『中国を知る(第2版)』日本経済新聞出版社,2011年
  • 南亮進・牧野文夫編『中国経済入門(第3版)』日本評論社,2012年
  • 新聞・雑誌・ネットの記事

✿ 社会的活動

  • 日本証券経済学会幹事
  • (日本)中国経済学会会員
  • (日本)中国経営管理学会会員
  • 中国留日同学総会副会長
  • 北海道華僑華人連合会副会長
  • 札幌大学孔子学院運営委員



2013年6月12日水曜日


内田一秀(UCHIDA Kazuhide

担当科目: 経営学入門,経営学基礎,経営管理総論,経営管理各論,環境経営学
最終学歴: 明治大学大学院経営学研究科博士課程単位取得  商学修士(同志社大学大学院)
専攻分野: 経営学,労資関係論
趣  味: 音楽鑑賞,ゲレンデ・スキー,クロスカントリー・スキー
研 究 室: 7702



✿ ゼミのテーマ:『地球環境問題と環境経営』

現在地球環境問題は,深刻な事態になり将来の地球や人類の存続が危ぶまれるところまで来ています。また地球環境問題は,経営学にとっても重要な問題となっています。なぜならば,地球環境問題は,20 世紀の企業活動がその大きな原因となっていますが,同時にそれを解決するには今後の企業活動のあり方が重要な鍵を握っているからです。

20 世紀は,大企業が大量の資源・エネルギーを使って,大量生産・大量流通を行い,社会は大量消費・大量廃棄をするという時代でした。その結果地球環境問題が深刻になりました。このような企業活動のあり方を見直すことが不可欠となりました。今後は環境対策に取り組まないような企業は,社会に受け入れてもらえなくなるでしょう。

企業が環境対策を行うためには,これまでの企業活動全体を見直しますので,単に環境対策を行うというだけでなく,企業の戦略や組織を見直し,改善することで,企業経営の本来の目的に役立ちます。このようなことを環境経営といいます。既に環境経営は,ビジネス・パスポートといわれるようになってきました。環境経営を行っていない企業は,きちんとした環境基準がある国では,企業活動や取引もできなくなっています。

それだけでなく,今後は環境経営が多くのビジネス・チャンスを拡大するだろうと予測されています。例えば,原発事故以来,自然再生エネルギーが大きな注目を集め,多くの先進的企業がこの分野への進出を計画しています。その他の分野でも環境対策技術を持っている企業の成長が期待されています。これらのビジネス・チャンスの拡大は,またその分野での仕事を増やします。これらの環境経営に関連したビジネスは,若者の進路としても有望なのです。是非この新しい分野に挑戦
してみてください。

〈使用したテキスト〉
吉田文和,『グリーン・エコノミー』,中公新書,2011 年刊。
井田徹治・他,『グリーン経済最前線』,岩波新書,2012 年刊。

✿ 大学生の成長には,ゼミが最適!

もともと大学は,研究・学習をしたいものが,集まったゼミから始まりました。ゼミは大学の原点であり,大学の教育・研究にとってもっとも重要で,効果的なものなのです。ゼミは,講義科目と違い,双方向的に学生同士の間,学生と教師との間で報告や討論をやり取りします。そのためには,各自が事前に,情報を集め,整理し,報告のレジュメを作るなどの準備が必要です。充分な準備ができたら,ゼミでは他人の言っていることを理解し,自分の考えをまとめ,それを発表して,討論をします。

これらはゼミに必要なばかりか,就職活動で多くの企業が重視している「コミュニケーション」能力そのものなのです。さらに就職活動時だけでなく,これらは将来社会で生きてゆくためにも必要なことです。ゼミに活動に真剣に取組み,大いに失敗もして,これらの能力を磨くことができれば,社会に出て非常に役立ちます。このようにゼミは自身を成長させる格好の場所なのです。

✿ ゼミは学生自身のもの!

いままで,わたしのゼミでは,学生諸君自身が,自分で企画したことは,できる限り実行してきました。企画を持った人をその都度ゼミ長になって実行してもらいます。ゼミを有益で楽しいものにするのは,学生自身の姿勢や考えです。ゼミで大胆に行動し,失敗を経験することは,成長するため不可欠です。なぜならば失敗から多くのことを学ぶことができ,同じような失敗をしなくなるからです。

ゼミ活動のなかから,卒業生は自分の進む道を選び,社会の多方面で大いに活躍しています。ゼミで研究に興味を持ち,卒業後大学院に進学した人もいます。また経営学の基礎をマスターしたいというゼミ生のために経営学検定試験のための支援もしています。これまでに中級も含めて数名の合格者がでています。

✿ 教員の対外活動

  • これまでに5つの高校で出前授業をしました。
  • 労務理論学会の理事をしました。また労務理論学会全国大会で報告・司会をしました。
  • 社会保険労務士北海道・東北地域協議会の業務研修会の講師をしました。
  • 社会保険労務士総合研究機構と社労士会近畿地域協議会で共催した,学術フォーラムで報告をしました。 



2013年6月11日火曜日




岩倉由貴(IWAKURA Yuki)

担当科目: マーケティング概論,マーケティング戦略,特別ゼミナール
最終学歴: 東北大学大学院経済学研究科博士課程後期修了 博士(経営学)
専攻分野: マーケティング,流通
趣  味: 動物園・水族館めぐり
研究室: 7718


✿ ゼミのテーマ:マーケティング

「なぜ売れるのか」「なぜその商品を買うのか」 「なぜ」を追求し,その答え
を自ら導き出す

岩倉ゼミでは,まず,マーケティングに関するテキストを用いて基本的な知識を身に付けます。その後,知識を「使える」ものにするため,事例分析としてゼミ生が興味のある企業や商品,サービス,社会現象を取り上げ,マーケティングの観点から分析をします。そしてディスカッションを通して「なぜ」と「その答え」を考えていき,そこから「何が見えるのか」を追求します。

岩倉ゼミの特徴は,ゼミの時間にディスカッションの時間があることです。上記の事例分析だけでなく,さまざまなテーマのもとディスカッションをします。これまで,「札幌大学のマーケティング」「こんな商品やサービスがあったら良い」などのテーマを取り上げました。また,このような身近なテーマだけではなく,「ごみのポイ捨てをなくすには」「ペットの飼育放棄を解決するには」といった社会問題も考えています。

他大学との合同ゼミもあります。例えば,他大学の環境経済学のゼミと合同ゼミを開催し,「円山動物園の来園者数を増やすには?」というテーマのもと,実際に円山動物園に行き,環境経済学とマーケティングの視点からディスカッションをしました。マーケティングの考え方は企業だけのものではなく,さまざまな面で使えます。異なる分野であっても共通のテーマでディスカッションできることはマーケティングの魅力の一つと言えるでしょう。

✿ 最近の研究内容

マーケティングは“売れるための仕組みづくり” と言えますが,すべての商品やサービスにおいて,欲しい人みんなに提供することが,果たして消費者や社会にとって良いことなのでしょうか。例えば,ある人が犬が欲しいのでペットショップに犬を買いに行きました。その人は出張で長期間家を空けることも多く,また,普段は仕事が忙しくて散歩に連れて行く時間も十分に取れません。飼っても犬を飼うこと自体がストレスになり,捨ててしまうかもしれません。この場合,犬が欲しいからといってその人に販売することは,果たして良いことなのでしょうか。私は「場合によっては販売しないことにより消費者と社会全体の利益を確保する方法があるのではないか」という観点から,消費者と社会はもちろんのこと,企業にとってもハッピーな仕組みづくりを考えています。

✿ ゼミ運営の考え方・方法

■ 楽しく学ぶ

マーケティングの考え方は就職活動や恋愛など色々な場面で使えます。難しい学問と考えるのではなく,楽しく学んでいきましょう。経営学やマーケティングという学問に興味を持ち,学ぶことや知ることの喜びを体感してほしいと思います。

■ ゼミを自分たちでマネジメントする

岩倉ゼミでは,ゼミ生自らがゼミをマネジメントするという意識で進めています。私はあくまでもサポーターで,主役はゼミ生です。この考え方はゼミの時間内だけでなく,ゼミ活動全般に及びます。例えば,「こういう企画がやりたい」「遊びに行きたい」などの案があれば,発案者を中心に企画を進め実行しています。やりたい気持ちと行動力があれば実現する環境になっています。

✿ 学生との交流を大事にする

私の研究室にはゼミ生だけでなく,ゼミ生以外の学生も訪れてくれます。論文や授業,進路の相談だけでなく,趣味や日常の出来事を話しに来てくれる学生も多くいます。普段からコミュニケーションをとり,「困ったら相談できる」のはもちろんのこと,「相談という段階ではないけれど少し悩んでいる」「話を聞いてほしい」 そんな時にお話することで元気になったり,笑顔が戻ったり。充実した大学生活を送るお手伝いをしていきたいと思っています。

伊藤公紀(ITOH Kohki)

担当科目: 情報処理応用,市場調査論,プログラミング,他
最終学歴: 北海道大学大学院工学研究科博士後期課程修了 博士(工学)
専攻分野: 教育情報工学
趣味: 天体観望,映画鑑賞,中国武術(形意拳),茶(紅茶,緑茶,青茶),チェス
研究室: 6607


✿ ゼミテーマ:『シミュレーション・ゲーミング・看図アプローチ』

伊藤ゼミではテーマは大きく3 つに分けられます。
1 マルチエージェント・シミュレーションマルチエージェントシステムを構成して人の社会的行動をコンピュータの中で模擬的に分析する。
2 ゲーミング心理・社会的な効果を狙ったゲームを考案する。
3 看図アプローチの応用「みる」力を育てるための教材開発や学習法の研究を行う。

伊藤ゼミを特徴づけるのキーワードのひとつは「みる」です。ある事象を理解するためにはよく「みる」ことが必要です。シミュレーションもゲーミングも,そして看図アプローチもすべて事物・事象をよく「みる」ことが出発点となっています。伊藤ゼミに所属する諸君はこれらの中からテーマを選び,研究を進めていきます。


  • マルチエージェント・シミュレーション

シミュレーションというのは社会システムの挙動(たとえば人の動作や行為など)を,これとほぼ同じ法則に支配される他のシステムによって模擬することです。コンピュータの中にいわば「箱庭」のような人工的な社会を作ってその中の住人(エージェント)たちがどのような行動を取るのか
を観察していくのです。“マルチエージェントシステム” というのは,社会の構成員である各個体を自律的に行動する「エージェント」としてモデル化し,複雑な社会現象を捉えていこうとする枠組みのことです。このように聞くと,なにやら難しそうですが,実はマルチエージェントシステムは私たちのまわりに数多く存在するのです。たとえば,アリやハチの社会がその例です。彼らは人類が誕生する遥か前からマルチエージェントシステムによって生活を営んできているのです。
もちろん,いきなり現実社会の忠実な模擬ができるようなモデルを目指すわけではありません。はじめはごくごく単純なルールのみを用いてコンピュータの中で人工的な社会実験をしていきます。

  • ゲーミング

ゲーミングは人間関係や社会構造をゲームという舞台で抽象化し,それをプレイすることを通してなんらかの経験や学習を得る手法です。ゲームのプレイヤーには演ずべき役割や目標,行動の制約が設定されていて,各プレイヤーの行動の結果や他の偶然の要素などの影響の結果として利益や損益が与えられ...。そんなゲームを体験しながら,それまで日常では経験できなかった事柄を擬似的に体験したり発見したりできることをめざすのです。そのようなゲームをデザインすることがゲーミング研究の目標です。

  • 看図アプローチの応用

看図アプローチでは,「みる」活動を「変換」「要素関連づけ」「外挿」の3 つの活動に分けて考えています。
  1. 変換絵図や写真のにある事物・事象を別のことばに言い換えたり,ある種の記号表示法を他の表示法に変えたりする活動のこと。
  2. 要素関連づけ絵図や写真を構成している諸要素を相互に関連づける活動のこと。
  3. 外挿絵図や写真を構成している内容を超えて,結果について推測したり発展的に考えたりする活動のこと。


看図アプローチは,創造性豊かな物語を作り出すトレーニングやヴィジュアルリテラシーの向上に活用されてきています。伊藤ゼミでは「みる」能力を向上させるための看図アプローチに沿った新たな学習教材やトレーニング法を考案・開発していきます。


✿ 社会的活動

2007 年~現在:「さっぽろ星まつり」(主催:札幌市青少年科学館)ボランティアスタッフ
2006 年~現在:「カルチャーナイト」(主催:カルチャーナイト実行委員会,共催:公益財団法人北海道文化財団)ボランティアスタッフ




2013年6月10日月曜日


札幌大学の「経営学専攻」へのいざない

札幌大学経営学部は,北海道内の大学に開設されている経営学部の中で最も古い伝統と実績があります。他の大学に先駆けて「経営学」の重要性を認識し,教育と研究を積み重ねてきています。本学経営学部の伝統と実績を継承しつつ,他の学問領域をも学びやすいように学部の垣根をとりはらい,札幌大学は平成25 年度から新しく経営学専攻を設置しました。

経営学は幅広い分野を包括する学問です。そのため,学びの中心を経営学に置きつつ,その裾野を広げておくことも社会に巣立つ学生諸君にとって有意義なものとなるでしょう。法律,経済,日本や外国の文化・言語・風習などは直接的間接的に企業経営に関わっているのです。

以前から本学経営学部は,数多くの高等学校教員を輩出している実績があります。経営学専攻も教員免許の取得に力を入れており,「経営・会計コース」と「情報経営コース」の2コースを設けて商業科教員免許情報科教員免許を同時に取得できるようにしています。

本学では多人数で展開している講義が大半ですが,担当教員と少人数の学生が一緒に研究,勉強することができるゼミナールを設けています。特に,専門ゼミナールでは担当教員が研究分野に沿ったテーマを設定し,その中から学生が関心があるテーマを選択することができます。そのため,学生諸君は受け身ではなく自発的にゼミナールでの活動に取り組むことができるはずです。ゼミナールを担当するのは,ここで紹介している教員です。各教員がどのような研究を行い,どのような考えを持っているのかを確認してみてください。

本学経営学専攻は自分自身の新たな可能性を発見し,何事にも積極的に取り組む学生を応援しています。そのため,学生諸君が大いに成長できる学びの場を提供します。このサイトに掲載されている内容を読んで,経営学専攻に所属する教員を知ってもらい,実際に多くの教員と関わることで充実した学生生活を送っていただけることを期待しています。